2016/07/24

5.腸管免疫のしくみ

動物は腸から食品を通して栄養分を吸収して、体を形成するために同化し、さらにエネルギーを生成して活きることができます。

一方で、食品には病原体が存在し、そうした病原体から身を守るためには、免疫システムを発達させる必要があったようです。その器官として顕著なものは、消化管免疫組織(gut-associated lymphoid tissues; GALT)です

古くから腸管免疫の活性化には、乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌叢が重要であることが報告されていました。最近になって、腸管免疫における自然免疫の活性化や獲得免疫への誘導において、その主役は菌体を構成する細胞表層の多糖であったり、核酸成分であることがわかってきました。

ポイントは、様々な微生物細胞の構成成分を認識することを通じて、自然免疫の活性化とシグナルにより、獲得免疫の応答能力が増すことがわかってきました。すなわち食品(成分)を通して、GALTが成熟し、免疫応答能力を獲得し、その機能が蓄積発揮していきます。

ここで腸管免疫システムについてもう少し詳しく説明すると、特にGALTではパイエル板システムは重要であります。

これは有用な食品免疫賦活成分がマクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞が存在するリンパ層内に取り込まれる場所であり、ここでは数十ミクロンのサイズの成分パイエル板内のM細胞から取り込まれることがわかってきました。

これらの抗原提示細胞にはトル様レセプター(Toll-like Receptors(TLR))やCタイプレクチンなど自然免疫シグナル受容体を発現しています。

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