2016/07/24

2.新たな機能性食品制度

ここで20154月から新たに始まった保健機能性食品の一つである「機能性表示食品」について簡単に解説します。

この施行により、広く食品の高付加価値化の可能性が高まっています。消費者庁へのホームページからその届出数は1年間(2016年(3月)末)で240件程度に達しており、月に20件強の機能性表示食品が申請届け出され受理されていることになります。

http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150810_1.pdf

新たな機能性表示食品制度は、平成25年6月14日に閣議決定した規制改革実施計画及び日本再考戦略に基づいて、保健機能性を食品に表示できる「機能性表示食品」として発足しました。

「機能性表示食品」は、大きくは既存の「特定保健用食品」「栄養機能食品」に次ぐ健常者向け食品に機能表示できる食品で、事業者の責任においてヒトデータを基にした「機能性」および「安全性」を担保することで、食品の機能表示が可能となります。

加えて今回の制度改革により、新たな「機能性表示食品」および既存の「栄養機能食品」には、加工食品だけでなく、果樹などの生鮮食料品も対象食品となったところが特徴であります(図)。

今後はTPPも踏まえて、この新たな機能性表示食品制度を県産野菜や果樹などの農作物の高付加価値化の1つの方策として活用することが重要でしょう。

機能性表示食品は、特定保健用食品(トクホ)とは異なり、企業責任はあるものの多様な訴求文言が実現しています。注目すべきは、抗肥満や高血糖などの生活習慣病に加えて、ハウスダスト低減、ストレス低減、疲労の低減など免疫調節に言及する文言もあり、今後期待されています。

本協議会活動でも、平成25年度に公益財団法人 日本健康・栄養食品協会が中心に実施した「食品の機能性評価事業」に参加し、パン酵母由来および大麦由来のβグルカンに関して、既報の臨床試験論文を基にシステマティックレビューを実施しました。

その結果、パン酵母βグルカンでは、「自然免疫の活性化」効果に関してC評価を頂き、大麦のβグルカンでは「血中コレステロールの正常化」に関してB評価を受けています。

すなわち、すでにβグルカン素材には、健康維持に欠かせない自然免疫の活性化により、感染症に疾病やガンに対して強い体を維持する機能が知られていました。

また、肥満や高血糖などの生活習慣病のリスク低減効果があることが示唆されていました。

 

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